ギター、ベースをアンプに繋いだ状態で、弦を触っていないとジーっというノイズが。。。
思い当たる方はいらっしゃいますか?
出力の弱いパッシブピックアップのギター&ベース、特にストラトなどに多いと思います。
溢れ出るノイズが、そのままアンプから出てしまっている為に起こる現象です。
弦に触れるとノイズが消えるのは、手(体)にアースが落ちているからです。
そう聞くと、恐ろしいですよね?
でも安心して下さい。ギター、ベースの電気はとっても微弱なので、ビリビリと感電する事はありません。
弦を触っていない状態でも、ノイズを減らしたいと思っている方に朗報です。
電導塗料というもので、ノイズを減らす事が出来ますよ!
工作感覚でDIY出来るので、是非自分で挑戦してみて下さい。
電導塗料でギター、ベースのノイズ対策方法
まず必要なものから。
・ドライバー
・はんだ
・はんだごて
・はんだ吸取線(あった方が良い。)
・アース線
・ラグ
・電動塗料
・電動塗料を塗るための筆(何でも良い。)
・マスキングテープ(ホームセンターで100円ぐらいで売ってます。)
はんだ吸取線はなくても作業出来ますが、あった方がいいです。
電導塗料を塗る準備
まずポットやジャックを外してキャビティから外します。
キャビティとは、配線を纏めているボディー内部の空洞の部分のことを言います。(ザグリとも呼ばれます。)
ストラトの場合は、ピックガードの中です。
ドライバーでキャビティのカバー、またはピックガードを外して下さい。
ピックアップからの配線と、ブリッジなどへのアース線は「はんだごて」ではんだを外して下さい。
はんだを外す際に、はんだ吸取線を使用する事で、古く劣化したはんだを取り除く事が出来るので、音質劣化を防げます。
使い方は簡単。
はんだと、はんだごての間に、はんだ吸取線を挟んであげるだけです。
最後にまた配線を直すので、その際に配線の場所が分からなくなってしまわないように最初に写真を撮っておくと良いですよ。
次にキャビティの周りをマスキングテープでマスキングします。
これをしないと、塗装部分にも電動塗料が着いてしまうので、綺麗にマスキングしましょう。
ちょっと雑ですが、マスキングの例。
電導塗料を塗る
数回に分けて電動塗料を塗っていきます。
電動塗料にもよるのですが、2回か3回重ね塗りしましょう。
今回はSONICの電導塗料を使用しました。
FreedomのNoise Hellシリーズも良いですが、SONICは水性なので臭くないし、塗りやすいのでオススメです。
SONIC ( ソニック ) / SP-01 Water-Based Shielding Paint
一回塗ったら、3時間以上は時間を置いてから重ね塗りして下さい。
電動塗料を塗る筆は、なんでも良いです。大きすぎず、小さすぎない安いものにしましょう。
配線を戻す
最後の塗りから一日置いたら、マスキングテープを剥がし、ポットやジャックの配線を元に戻します。
最初に撮った写真を見ながら配線、再ハンダ付けをして下さい。
あれれ、電動塗料がはみ出てる。。
電動塗料を取るのは大変です。念入りにギタークロスで磨きましょう。
こうならない為にも、マスキングは丁寧に行って下さい。
ラグを打ち、アースを落とす
キャビティ内の、電動塗料が塗られている部分にラグを打ちます。
ラグを打つ部分は、形状にもよるのですが、キャビティ内の底の部分ではなく、横の部分だと配線が干渉しにくくていいですよ。
ラグを打てたら、アース線でポットからラグに繋がるように、はんだ付けします。
最初、トーンのポットだけアースを落としましたが、まだノイズが目立っていたので、ボリュームのポットからもアースを落としました。
この辺は、やってみて各々の判断で決めて下さい。
ハンダは色々な種類がありますが、音楽機材に使用する場合は「Kester 44」というハンダを使用する事をオススメします。
間違っても100円均一で売っているようなハンダは、使用しないで下さい。
Kester 44も、そんなに高くありません。ここはケチらないようにしましょう。
これで一連の作業は終了です!
カバーを戻し、アンプに繋いでみて下さい。
どうですか?
大分ノイズが減ったと思います。
電動塗料でノイズ対策をすると、ハイ(高音成分)が多少落ちてしまいますが、高音のヌケが良いシールドを使ったり、アンプの設定で補えると思います。
例えば「モンスターケーブル」なんかですと、高音のヌケが良いですよ。
僕の主観ですが、いい音を出す最大にして唯一の秘訣は、結局のところ右手のピッキング次第です。
愛しい人を愛でるように、一音一音大切に音を奏でましょう!