楽譜・TAB譜で使用する記号等をまとめました。
楽譜・TAB譜の読み方【拍子とリズムについて】
4/4とは、「四分音符が4つで1小節」という事を指しています。
分母が音符の種類、その音符が1小節に何個入るかを、分子で表します。
代表的な拍子は4/4、2/4、3/4や6/8(八分音符が6個で1小節)などです。
左上に記載されている数字はBPM(Beats Per Minute)といい、1分間に四分音符を何回きざむテンポなのかを表しています。
スイング(シャッフル)
3連符のノリで弾く事を表しています。
通常のリズム(イーブンやストレートと言います。)は、表拍と裏拍が1:1の長さになりますが、スイング(シャッフル)では2:1になります。
イーブン = タカタカ
シャッフル = タッカタッカ
16ビートのシャッフルの場合は、以下のような表記になります。
楽譜・TAB譜の読譜法【演奏テクニック】
楽譜・TAB譜で出てくる演奏テクニック、記号等をまとめました。
ダウンとアップの記号
①はダウンストローク or ダウンピッキング
②はアップストローク or アップピッキング
H (ハンマリング・オン)
ピッキングせずに、左手の指で弦を叩くように押弦して、音を出すテクニック。(2弦1fの音はピッキングします。)
P (プリング・オフ)
左手の指で弦を引っかくようにして離し、ピッキングせずに音をつなぐテクニック。(2弦3fの音はピッキングします。)
sl. (スライド)
弦を押さえたまま指をスライドさせ、音をつなぐテクニック。
2弦1fはピッキングしますが、2弦3fはピッキングしません。
sl. (シフトスライド)
シフトスライドは、出だしの音(2弦1f)をピッキングし、スライド後の音(2弦3f)もピッキングします。
グリス【スライドイン・アウト】
やり方はスライドと同じですが、音の開始地点、または到達点、もしくはその両方が決まっていません。
グリッサンド、スライドイン、スライドアウトとも言います。
×は、「任意のフレットで」という意味です。
チョーキング
左手の指で弦を持ち上げて、音を高く上げるテクニック。
音の上げ幅で、名称が変わります。
・1 1/2は一音半チョーキング
・fullは一音チョーキング
・1/2は半音(ハーフ)チョーキング
・1/4はクウォーターチョーキング
チョーキングアップ&ダウン
チョーキングした後に、ピッキングせずにチョーキングを戻すテクニック。
チョークアップ
チョーキングをした状態(弦を持ち上げた状態)でピッキングをするテクニック。
チョークアップ&ダウン
チョークアップでピッキングをした後に、チョーキングを戻すテクニック。
ビブラート
細かなチョーキングを繰り返して、音を振動させるテクニック。
ブリッジミュート(パームミュート)
右手の手刀の腹の部分を、少し弦に乗っかるようにブリッジに置いて、ピッキングするテクニック。
ブラッシング(カッティング)・ゴーストノート・ストリングヒット
「×」は左手や、右手の手刀で弦にふれて、ミュートをした状態でピッキングするテクニックで、ブラッシングといいます。
ストロークなどにブラッシングをまぜたパターンを、カッティングと呼びます。
単音でのブラッシングは、ゴーストノートと呼ぶ事もあります。
右手の親指で弦を叩き、「チャッ」という音を出すテクニック【ストリングヒット】も同じく「×」で表されます。(二小節目)
T (タッピング)
右手の指やピックで、ハンマリングのように、弦を叩くように押弦して音を出すテクニック。
○T (左手タッピング)
左手の指でタッピングをするテクニック。
ハンマリングとの違いは、出だしのピッキングの有無です。(タッピングの場合は、ピッキング無しです。)
ハーモニクス
①人工ハーモニクス
右手の人差し指で〈ハーモニクスポイント〉にふれ、右手親指などでピッキングをしたら、右手を離してハーモニクスを出すテクニック。
②ナチュラルハーモニクス
〈ハーモニクスポイント〉を左手の指でふれ、ピッキングをしたら、左手を離してハーモニクスを出すテクニック。
③ピッキングハーモニクス
ピックを短く持ち、ピッキングの後(ほぼ同時に)、親指の腹で弦にふれてハーモニクスを出すテクニック。
④タッピングハーモニクス
右手の指で〈ハーモニクスポイント〉をタッピングして、ハーモニクスを出すテクニック。
単音だけではなく、指を伸ばしてバーにした状態で、まとめてタッピングハーモニクスを出す事もあります。
アクセント・ネイルアタック
強いアクセントで演奏します。
指弾きの場合は、ネイルアタックをする場合もあります。(デコピンをするように弦を弾き、「チャリーン」としたアタック音を出すテクニック。)
スタッカート
音を短く切る奏法。
よく似た音符に付点がありますが、付点〜音符の場合は、音符の横に点が付いています。
スタッカートは、音符の上か下に点が付いていますので、勘違いしないように注意して下さい。
装飾音符
目的の音を装飾する為の音符。
装飾音符は弾いたら伸ばさずに、すぐに目的の音へつなぎます。
画像ではハンマリングになっていますが、プリングやスライドなど、色々な使い方があります。
①は短前打音といい、目的の音(2弦3f)を弾くタイミング(1拍目の表)より少し手前のタイミングで装飾音符を弾き、即座に目的の音(2弦3f)へつなぎます。
②は長前打音といい、目的の音(2弦3f)を弾くジャストタイミング(3拍目の表)で装飾音符を弾き、即座に目的の音(2弦3f)へつなぎます。
アルペジオダウン・アップ
「ジャラララーン」となるように、ゆっくりとストロークをする奏法。(指弾きの場合もあります。)
矢印が上の場合は、低音弦側から。
矢印が下の場合は、高音弦側から弾きます。
ピックスクラッチ
弦にピックを擦り付けて、「ジリジリジリ〜」といった効果音を出すテクニック。
タイ
タイは、二つの音を結ぶ時に使う記号です。
結んだ後のカッコ()の部分では、ピッキングはしませんのでご注意下さい。
let ring
ピッキングした音を切らずに、伸ばしたままにする奏法。
主にアルペジオの時に使用される記号です。
フェルマータ
「程よく伸ばす、適切に伸ばす」といった意味で、伸ばす長さは演奏者にゆだねられます。
曲の出だしや、最後に出てくる事が多いです。
①は短め、②は長めに伸ばして下さい。
rit.
ritardando(リタルダンド)の略で、「だんだん遅くする、少しずつテンポを落とす」という意味です。
曲の最後に出てくる事が多いです。
クレッシェンド・デクレッシェンド
①はクレッシェンドといい、「だんだん強く」という意味です。
②はデクレッシェンドといい、「だんだん弱く」という意味です。
楽譜・TAB譜に関する諸記号
楽譜・TAB譜で出てくる演奏順序、進行に関する記号をまとめました。
リピート記号
「:と:」でくくられた間を、1回繰り返します。
D.C.やD.S.などで戻った後に、再度リピート記号のある小節を通る時に、「with repeat」がある場合、再度リピート記号を使用します。
Straightと書いてある場合は、リピート記号を使用しません。(素通り。)
何も書いていない場合は、素通りする事が多いですが、楽譜によっては再度リピート記号を使用する場合もあるので事前に確認しましょう。
with repeatは、〜 time with repeatと書かれる事もあります。
Straightは、〜 time straightと書かれる事もあります。
x time
「x time」と書かれている場合、リピートの回数は決まっておらず、リピート回数は演奏者にゆだねられます。
Repeat & F.O.
「Repeat & F.O.」と書かれている場合、リピートを繰り返してフェードアウトします。
D.C. (ダカーポ)
曲の頭(最初)に戻る事を意味します。
「Da Capo」と書かれることもあります。
D.C. al Codaとは、「ダカーポしたら、コーダして下さい。」という意味です。
D.S. (ダルセーニョ)
セーニョマーク(セーニョ記号)へ戻る事を意味します。
D.S. al Codaとは、「ダルセーニョしたら、コーダして下さい。」という意味です。
セーニョマークは、以下の画像にある『Sと/と・』をまぜたような記号です。
Coda (コーダ)
コーダマーク(コーダ記号)へ飛ぶ事を意味します。
コーダは通常、一回目は使わず、D.C.やD.S.後の二回目の時に使用します。
コーダマークは、以下の画像にある記号です。
「to Coda」と記載される事が多いですが、当スクールの楽譜では「Da Coda」と記載しております。
カッコ
リピート記号で繰り返したい部分の、後半だけが違う場合によく使います。
カッコ内の順番に進みます。
カッコは使い捨てなので、一度使ったら二回目は使いません。
上記画像の進行は、以下のようになります。
A→B→C→D→E→F→G→H→A→B→C→D→I→J→K→L
反復記号
前の小節と同じ弾き方、という事を意味しています。
/が一つの場合、一小節分。
/が二つの場合、二小節分が同じという事を意味します。
リハーサルマーク
リハーサルマークは、楽曲の展開毎に付けられます。
楽譜(スコア)の位置関係、楽曲の展開を把握する為に付けられています。
Iや、Introは前奏。
InterはInterludeの略で、間奏。
Outroは、後奏の事を指します。
カデンツァ (Free time)
曲のエンディングなどでよく使用されるカデンツァ。
「自由なテンポで。または、自由な即興演奏」という事を意味しています。
ライブ、コンサートでの曲の最後によくある『ピロピロピロ〜〜〜ジャン!』なんかが正にカデンツァですね。