今回は前回の続き、チョーキングとビブラート編です。
前回の記事 ■ギターの基本テクニック【ハンマリング・プリング・スライド】のコツ
チョーキングは、ギター初心者にとって二番目の壁だと思います。
※一番目はセーハを使うコード。(FやBなど)
コードに慣れてきて『さぁ、ギターソロを弾こう!』と思っても、このチョーキングでつまずく事も多いと思います。
指が痛い。
こんな悩みを解決するにはズバリ!
フォームを見直しましょう!
指で上げてはいませんか?
それではダメです。
アコギの方の場合、チョーキングはあまり出てきませんが、ビブラートはよく出てきます。
しかし、チョーキングとビブラートは、ほぼ同じフォームになりますので、是非チョーキングのフォームも覚えて下さい。
※後ほど詳しく解説します。
今日は、チョーキングとビブラートの正しいフォーム、疲れないやり方を解説しますので、是非挑戦してみて下さい。
チョーキング(ベンド)のやり方とコツ
チョーキングは、指で弦を持ち上げて、音を高く上げるテクニックです。
ベンドとも呼ばれる事があります。
音を上げる幅によって、それぞれ名称が異なります。
・一音半チョーキング = 一音半(3f分) = 1 1/2
・一音チョーキング = 一音(2f分) = full
・半音(ハーフ)チョーキング = 半音(1f分) = 1/2
・クウォーターチョーキング = 4分の1(1/2f分) = 1/4
一音とは2fの幅の事を言います。
1fではありませんのでご注意を!
半音は1fの幅で、クウォーターはその半分なので、1/2fの幅ですね。
楽譜では、上記の表記の他に、Cや、Choなどと表記されている事が多いです。
・一音半チョーキング = 1H.C
・一音チョーキング = C
・半音(ハーフ)チョーキング = H.C
・クウォーターチョーキング = Q.C
・楽譜にUと記載されている事もあると思いますが、『U』はチョークアップといって、チョーキングアップした(弦を持ち上げた)状態でピッキングするテクニックになります。
・『D』はチョーキングダウンを意味します。
チョーキングのフォーム
まず親指のフォームは、クラシックスタイル、シェイクハンドのどちらでも大丈夫です。
シェイクハンドの方が楽で安定しますよ。
※親指のフォームがよく分からない方は、以下の記事を読んで下さい。
次にクラシックであれば親指の腹、シェイクであれば親指の付け根部分を支点に、手首を回転(反時計回り)させるように弦を持ち上げます。
では実際に、1弦の12fを薬指で押さえてピッキングしたら、弦を押さえたまま上方向に押し上げてみましょう。
どうです?
初めての方だと
指が痛い。
となっているのではないでしょうか?
楽に弦を持ち上げる、痛くならない方法、コツがいくつかあります。
【痛くならない】チョーキング(ベンド)のコツ
チョーキングのコツは4つあります。
- 支点の部分は回転させない
- 指は鉄のように固める
- 指を若干寝かせる
- 指を束にする
支点の部分は回転させない
支点の部分は、支点ですので、手首と一緒に回転させてはいけません。
親指の向きが、チョーキング前とチョーキング後で変わっていなければ、出来ている証拠です。
逆に、チョーキング後に親指の向きが変わっている場合、支点ごと回転させてしまっていますので、支点は回転させないよう意識しましょう。
↓
チョーキングのダメな例
チョーキングのいい例
指は鉄のように固める
左手の指はピーンと伸びた状態ではなく、第一関節、第二関節ともに少し曲げた状態、緩やかなアーチ状にして弦を押さえて下さい。
その指の曲げ具合が、チョーキングした時に変わらないように(伸びたり曲がったりしないように)、指に力を入れて鉄のように固めて下さい。
そうしないと、手首の力で弦を持ち上げても、指が曲がってしまう為、結局弦が上がってくれません。
指の力で弦を押し上げるのもダメです。
『チョーキングすると指が痛い。』
という方は、手首が使えていない事が多いです。
手首の力を使う為に、指は鉄のように固めましょう。
指を若干寝かせる
普段、弦を押さえる時は指を立てる事が多いですが、チョーキングをする時は、若干寝かせた角度で押さえましょう。
指が立っていると、必要以上に力んでしまったり、弦が指から外れてしまったりします。
↓ダメな例
↓良い例
指を束にする
例えば薬指でチョーキングをする場合、中指、人差し指は同じ弦を押さえ、それぞれの指をまとめて束にしましょう。
そうする事で、指が弦に負けないように、指を固めておく事が簡単になります。
・中指でチョーキングをする場合は、人差し指と束に。
・人差し指でチョーキングをする事はあまりありませんが、その場合は気合で頑張りましょう。
※そもそも人差し指は強い指ですし、人差し指チョーキングをするのは大抵、低音弦での下げのチョーキングなので、そんなに大変ではありません。
上げのチョーキング・下げのチョーキング?
チョーキングには上げのチョーキングと、下げのチョーキングがあります。
(潮の満ち引きみたいですねw)
・上げのチョーキングとは、その名の通り、弦を上に持ち上げるチョーキングです。
これまでに解説してきたやり方ですね。
・下げのチョーキングとは、弦を下に引っ張るチョーキングです。
上げのチョーキングの場合、手首を反時計回り(左回し)にして弦を持ち上げますよね。
その逆で、手首を時計回り(右回し)にして弦を下に引っ張って音程を上げます。
あくまで目安なのですが
1,2,3,4弦 = 上げのチョーキング
3,4,5,6弦 = 下げのチョーキング
になります。
フレーズの前後で、どっちが良いかは変わってきますので、是非色々と試してみて下さい。
チョーキングのミュート
弦を持ち上げる事に少し慣れてくると、チョーキングをする弦以外の弦が鳴ってしまう事が、気になってくると思います。
(特に一つ上の低音弦の開放の音)
そんな場合は、人差し指でミュートをかけましょう。
下の画像を見て下さい。
薬指と中指は束にして、人差し指は一つ、もしくは二つ上の低音弦を触れるだけの状態にして、ミュートをかけます。(押さえはしません!)
人差し指と中指を、くっつけて束にする事もポイントです。そうしないと、チョーキングの途中で人差し指に力が入ってしまい、余計な音が鳴ってしまう可能性が高まるからです。
このミュートが出来れば、気になる音もミュート出来るはずです。
注意
チョーキングを覚えたてで、弦を持ち上げる事に慣れていない方は、最初はこのミュートは無視して下さい。
チョーキングだけでも最初は、ものすごく大変です。
変なクセが付かないよう、フォームを意識して練習して下さい。
おさらいしますと、特に意識する事は以下の4つ。
- 支点の部分は回転させない
- 指は鉄のように固める
- 指を若干寝かせる
- 指を束にする
1〜数ヶ月経って、チョーキングに慣れてきたら、このミュートも出来るようにすれば大丈夫です。
ビブラートのやり方とコツ
チョーキングを覚えたら、ビブラートも合わせて覚えちゃいましょう。
ビブラートのやり方は、大きく分けると二種類あるのですが、一つが『横揺れのビブラート』、もう一つが『縦揺れのビブラート』になります。
今回覚えていただきたいのは、縦揺れのビブラートです。
・横揺れのビブラートは、主にクラシックギターで使用するテクニックです。
押弦している指を横に揺らし、音にビブラートをかけます。
横に揺らしながら、弦を押さえている力を強めたり、弱めたりすると綺麗なビブラートがかけられます。
縦揺れのビブラート
・縦揺れのビブラートは、エレキギター、フォークギター(アコギ)で使用するテクニックです。
やり方は簡単!
上げ幅の小さいチョーキングを繰り返すだけです。
小さくチョーキングして、音を切らないように元に戻す→また小さくチョーキング→戻す、、、の繰り返しです。
上げ下げのチョーキング、どちらも使えます。
縦揺れビブラートのコツ、ポイントは二つあります。
- ゼロポイントまで戻す
- 一定の間隔で上げ下げする
ゼロポイントまで戻す
一つ目のポイントは、チョーキングで音を上げた後、音を上げる前のフラットな音『ゼロポイント』まで毎回、必ず戻すという事です。
ゼロポイントまでしっかりと戻さないと、音の核、中心が高くなってしまう為、上擦った音(シャープした音)になってしまいます。
簡単に言えば、音痴。音が外れてしまうという事です。
一定の間隔で上げ下げする
音を上げ下げする波を、一定の間隔にする事も、綺麗なビブラートを習得する為の大事なポイントです。
不規則な波にならないように、気をつけて練習して下さい。
ビブラートはチョーキングと比べると、上げ幅も小さく、指の負担も少ないですが、チョーキングのフォームがまず出来てからでないと、なかなか安定しないと思います。
チョーキングのように、上げたら上げっぱではなく、ずっと動いていますからね。
どっちにも慣れてきたら『チョーキングした音にビブラートをかける』事にも挑戦してみて下さい。
チョーキングとビブラートを綺麗なフォームで習得するには、時間がかかると思いますが、焦らずコツコツと練習していけば必ずモノに出来ますので、頑張って下さい。