市販の楽譜・TAB譜を見てみると、それらのテクニックが出来ている前提で、進んでいく事も多いと思います。
そこで今日は、ギターの基本テクニック【ハンマリング・プリング・トリル・スライド・グリス】のやり方、正しいフォームとコツを解説します。
特にこの三つのテクニック【ハンマリング・プリング・スライド】は、エレキでもアコギでも非常によく出てきます。
それに一度覚えてしまえば、テクニックでいちいちつまずく事なく、曲が覚えられるようになりますので、是非綺麗なフォームで覚えましょう。
ギターの基本テクニック【ハンマリング・プリング・スライド】
■ハンマリングは、正式名称『ハンマリング・オン』
低い音から、高い音へ音を繋ぐ事が出来るテクニックです。
■プリングは、正式名称『プリング・オフ』
高い音から、低い音へ音を繋ぐ事が出来るテクニックです。
■スライドは、低い音から高い音、高い音から低い音、どっち方向へも音を繋ぐ事が出来るテクニックです。
ハンマリング・オンのやり方とコツ
ハンマリングは、読んで字の如く指先をハンマーのようなイメージにして、弦を叩いて音を繋ぎます。
まず4弦の5fを人差し指で押さえ、ピッキングして下さい。
次に、薬指で4弦7fを叩いたら叩きっぱにして下さい。
これがハンマリングです。
一般的な楽譜での表記はHです。
これが出来たら、3弦でも同じハンマリング(5f→7f)をしてみましょう。
綺麗にハンマリングをするコツは、三つあります。
- 弦を真上から叩く
- フレットの近くを叩く
- 力みすぎない・素早く叩く
指板に対して直角に指を立てて弦を叩く事で、少ない力でも綺麗に音が鳴らせるようになります。
指の第一関節、第二関節ともに曲げてアーチを作って下さい。そうすれば、指も立ってくると思います。
指が立っていないと、指の腹の部分でハンマリングする事になってしまい、それだと綺麗な音を出しづらいです。
指を立てて、指の先端でハンマリングしましょう。
叩く場所は、フレットの近くが少ない力でも、綺麗な音が出せます。
あまり力まず、大きく振りかぶらないで下さい。
振りかぶりは、弦から2cm弱〜2cm程でOKです!
素早く叩く事がコツです。
プリング・オフのやり方とコツ
プリングは、英語の『pull = 引く』の意味通り、指を引く【弦を引っ掻く】ようにして音を繋ぎます。
まず1弦の7fを薬指で押さえ、ピッキングして下さい。
次に、薬指で1弦を引っ掻くように指を離すのですが、薬指が弦から離れる少し手前で、1弦の5fを人差し指で押さえましょう。
慣れない方は、最初から1弦の5fを押さえていても大丈夫です。
これがプリングです。
一般的な楽譜での表記はPです。
綺麗なプリングをするコツは、二つあります。
- 指先の皮に弦を引っ掛ける
- 指が弦から離れる瞬間に、軌道を前に逃す
弦を押さえていると、以下の画像のように指先が凹んで、上下に皮がたわむと思います。
このたわんだ上の皮に弦を引っ掛けるようにすると、綺麗な音が出せます。
引っ掛ける指の軌道ですが、真下に指を逃すようにプリングしてしまうと、下(高音弦側)の弦を鳴らしてしまいます。
例えば以下のようなパターン。
これだとプリングした時に、1弦、2弦、または3弦の開放弦に触れてしまいますよね。
そうならないようにする為には、指の軌道を前に逃す必要があります。
引っ掛け始めの軌道は真下で大丈夫なのですが、指が弦から離れる瞬間に、指の軌道を斜め前下にします。
そうする事で、下(高音弦側)の弦に触れずにプリングが出来ます。
最初から斜め前下の軌道でも良いのですが、それだとプリングの音の出が少し弱くなります。
余裕のある方は、人差し指でミュートもかけられると尚良しですね。
セーハじゃないけど、人差し指で弦に触れておくミュートです。
トリルのやり方
ハンマリングとプリングが出来るようになると、トリルも出来るようになります。
やり方は簡単。
ハンマリングとプリングを交互に繰り返すだけです。
速く弾こうとして、ぐちゃぐちゃにならないよう、ハンマリング→プリング→ハンマリング→プリング、、、
といった感じに粒を揃えて、丁寧に弾きましょう。
スライドのやり方とコツ
スライドは、弦を押さえたまま左右のフレットに指をずらし(スライドさせ)、音を繋ぐテクニックです。
一般的な楽譜での表記は、Sやslです。
上記のような(1)移動距離が短いスライドの場合、親指の支点はずらさずにスライドしましょう。
この時の支点の場所も重要です。
実際に人差し指で4弦5f→4弦7fのスライドをやってみましょう。
※親指のフォームはクラシックでも、シェイクハンドでもどちらでも大丈夫です。
何の事かよく分からない方は、以下の記事を参考にして下さい。
親指の支点の位置はどこにいますか?
初めてスライドに挑戦する方であれば、4fと5fの間ぐらいに支点を置いているのではないでしょうか?
そうではなく、5fとスライドの目的地の7fの中間、つまり6f(5fと6fの間ぐらい)に支点を置いてあげましょう。
そうする事で、スライド前(5f)とスライド後(7f)、どちらも弾きやすいフォームになります。
またこの支点を軸に、手首から指を横にスライドさせるような動き(手首の回転を使うイメージ)でスライドする事で、より安定したフォームが維持出来るようになります。
(2)移動距離が長いスライド、例えば『4弦5fから4弦12fのスライド』の場合、目線を目的地(この場合は12f)に向けてあげると、行き過ぎたり届かなかったり、、、といった失敗がなくなってきます。
スライドのコツは、力を入れすぎない、でも緩めすぎずに勢いよくスライドさせましょう。
指をスライドさせる時に、指がグチャっと曲がったりしないように、指に力を入れて固めておくのもポイントです。
メモ
低い音へのスライドは、スライドダウン。
高い音へのスライドは、スライドアップと言います。
グリスのやり方
グリスはグリッサンドとも言います。
やり方は、スライドとほとんど同じです。
一般的な楽譜での表記は、g、もしくは斜め線だけで何も書いていない場合もあります。
出発地点と目的地点、スライドの場合は決まっていましたよね?
グリスの場合はそのどちらか、もしくは両方が決まっていません。
動画を見ていただいた方が分かりやすいと思いますが、例えば6弦12fからのグリスダウンの場合、11fから1fまでのどこかで音を切ります。
スライドで指を動かしている最中に、指の力を抜いて音を切ります。
指を止めてから音を切ると、どの音で切れたか分かってしまいますよね?
これはダメです。スライドになってしまいます。間抜けな感じになってしまいますしね。
音を切るフレットは、どこでも大丈夫です。
プレイヤーの判断で決めちゃってOKです!
メモ
低い音へのグリスは、グリスダウン。
高い音へのグリスは、グリスアップと言います。
今日は沢山のテクニックを覚えましたね。
いかがでしたでしょうか?
これらのテクニックは、色々な曲でかなり頻繁に出てきますので、しっかりと綺麗なフォームで覚えておいて下さい。
次回は、ギター初心者にとって二番目の壁、チョーキングとビブラートのやり方を解説します。
※一番目はセーハ(Fコード)。